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一晩で2kg増えた原因は脂肪ではなく水分

一晩で2kg増えたのは脂肪ですか、水分ですか?
一晩で2kg増えたのは、脂肪ではなく水分です。 体重は塩分、炭水化物、ホルモン、消化の状態によって、1日で1〜2kg動くことがあります。どれも脂肪を蓄えているわけではありません。脂肪が増えるペースはずっとゆっくりで、必要なエネルギーも桁違いです。1食でそうならない理由を、次の計算で確かめます。
脂肪が2kg増えるには、1日に何kcal必要ですか?
Martin et al. (1994)の測定では、体脂肪組織は1kgあたり約5,100〜8,000 kcalです。純粋な脂肪は約9,440 kcal/kgですが、体脂肪組織には水分や細胞も含まれるため、値はそれより小さくなります。よく使われる1kgあたり7,700 kcalは、Wishnofskyが1958年に出した計算に由来する目安で、この範囲の中にあります。測定値ではありません。
2kgの脂肪が一晩でつくれないことを示すため、あえて最も少ない約5,100 kcal/kgを使います。反論しにくい条件で計算するためです。計算は 2kg × 5,100 kcal = 10,200 kcal です。消費量を約10,200 kcal上回る量を、1日で食べる必要があります。
これは目安ではなく、確認のための例示の計算です。10,200 kcalは、1回の食事にも1日分の食事にも収まる量ではありません。一晩で2kg増えたのが脂肪でないなら、別の何かが短時間で動いたことになります。
塩分や炭水化物の多い食事で、なぜ水分が増え、いつまで続きますか?
塩分と炭水化物の多い食事は、体にたまる水分を増やします。仕組みは次の2つで、働く物質が違います。
- 炭水化物とグリコーゲン:筋肉と肝臓は炭水化物をグリコーゲンとして蓄え、1gにつき3〜4gの水が一緒に付きます。OlssonとSaltinの研究では、約500gのグリコーゲンの変化に、体内の水分2.2リットルの増加が伴いました。炭水化物の多い食事でグリコーゲンが補充されると、水分も一緒に入ってきます。
- ナトリウム:日本では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」で食塩相当量の目標量が示されています。ご自身の年齢や性別の値は、そちらで確認してください。比較として、米国FDAの1日あたりの摂取基準値(Daily Value)は2,300 mg未満で、米国人の平均摂取量は約3,400 mgです。いつもより塩分の多い食事は、体が抱える水分量を変えることがありますが、その量は人によって違い、グリコーゲンの影響より予測しにくいものです。
どちらも脂肪は増やしません。増えるのは水分で、1リットルは体重計の上でちょうど1kgです。
この増加は一時的です。グリコーゲンと結びついた水は、普段どおりに動いて食べるうちに、1〜3日かけて使われていきます。ナトリウムによる水分の変動も、同じくらいの期間で落ち着きやすいです。
一方、脂肪は何週間も続く余剰の積み重ねで増えます。消費を5,100〜8,000 kcal上回るごとに、脂肪組織が約1kgです。水分は日単位で、脂肪は週単位で動きます。普段どおりに食べて1週間たっても2kg増えたままなら、1日の数字ではなく週ごとの推移を見てください。
体重計の数字に驚いたら、どう見ればよいですか?
体重計の数字に驚いたときは、1回の値を無視して、推移を見るのが確実です。1週間の平均を取ると、水分による上下がならされ、摂取カロリーのほうが変わっているかどうかが見えてきます。計算例つきで記録する方法は、レシピのカロリー計算のやり方で紹介しています。Avocaloで食事を写真に撮れば、この週ごとの確認を、単発の計算ではなく習慣にできます。写真からの推定値は目安です。
よくある質問
前日の運動で体重計の数字が増えることはありますか?
はい、増えることがあります。運動でグリコーゲンが使われ、その後に補充されるとき、筋肉に水分が戻ってきます。激しい運動の数日後に一時的に体重が増えて見えても、脂肪の量が変わったわけではありません。
外食のあとは体重を量らないほうがよいですか?
やめる必要はありませんが、数字がぶれやすいことは覚えておいてください。量が多い食事や塩分の多い食事は、1〜2日ほど水分量を動かします。その朝の値は推移ではなく、はずれ値として扱いましょう。
いつもと同じカロリーなのに、体重が急に増えるのはなぜですか?
総カロリーが同じでも、ナトリウム、炭水化物の量、ホルモンの変動は日ごとに違います。水分がたまるかどうかは、食べた内容と体内の水分の巡り方に左右され、カロリーの数字そのものには直接左右されません。
出典
- Wishnofskyによる脂肪のエネルギー換算(Thomas et al., "Energy Content of Weight Loss," PMC3810417 に再掲):7,700 kcal/kgという目安の値に使用。Martin et al. (1994)が測定した5,100〜8,000 kcal/kgの範囲に収まります。
- Olsson KE, Saltin B, "Variation in total body water with muscle glycogen changes in man," Acta Physiol Scand 1970, Wiley record。オープンアクセスの総説 Nutrients/MDPI, PMC9823884 にも再掲:グリコーゲンと水の比率に使用。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(日本の食塩・ナトリウムの基準)と、U.S. Food and Drug Administration, "Sodium in Your Diet":米国のDaily Valueと米国人の平均ナトリウム摂取量に使用。
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