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たんぱく質を十分に摂るのが難しい理由

たんぱく質を十分に摂るのが難しい理由は?
たんぱく質を十分に摂るのが難しいのは、「たんぱく質源」とされる食品が、重さで見ると大半が水分と脂質だからです。目標の数字に届くには、皿の上で見える以上の量が必要になります。さらにたんぱく質は、三大栄養素のなかで最も早く満腹感をもたらします。 そのため、1日が終わる前に食欲のほうが先になくなります。食事ごとに分けて摂り、カロリーあたりのたんぱく質が多い食品を選べば、不足の多くは埋められます。プロテインパウダーは必須ではありません。
要点
- USDA FoodData Centralによると、ローストした鶏むね肉は100gあたり約31g、全卵は約12.6g、ギリシャヨーグルトは約10.2gのたんぱく質です。
- 2014年のJournal of Nutritionの研究では、健康な成人8人が2通りの食事パターンをそれぞれ約1週間続け(クロスオーバー設計)、各期間の1日目に24時間の筋たんぱく質合成を測りました。均等に分けたパターンは、夕食に集中させたパターンより合成が約25%高くなりました。
- 2012年のBritish Journal of Nutritionの総説は、たんぱく質をカロリーあたりで最も満腹感の高い栄養素としています。そのため、1日の食事が終わる前に食欲が落ち着きます。
鶏むね肉は100gあたりのたんぱく質がなぜ意外と少ないのですか?
鶏むね肉の100gあたりのたんぱく質は、USDA FoodData Centralで皮なしのローストが31gです。エネルギーは165 kcal、脂質は3.6gとされています。鶏むね肉は、カロリーに占めるたんぱく質の割合が高いため、たんぱく質の食品に見えます。それでも重さの面では、大半が水分です。
100gから、たんぱく質31gと脂質3.6gを引くと、残りは約65gです。この残りは水分とわずかなミネラルです。加熱で水分が抜けたあとでも、調理済みの鶏むね肉は重さの半分以上が水分です。日本の食品については、日本食品標準成分表(八訂)でも同じ種類の食品の値を確認できます。
カロリーの内訳ではたんぱく質が中心でも、100gあたりのグラム数は控えめなことがあります。水分にはカロリーもたんぱく質もありませんが、皿の上の重さの大部分を占めます。
鶏むね肉1枚で十分なたんぱく質源のように見えても、思ったより少ないことがあります。1食のたんぱく質は、100gあたりの密度と実際に食べた量で決まります。見落としやすいのは、このうち密度のほうです。
たんぱく質源の食品は、実際にどれくらいがたんぱく質ですか?
たんぱく質を増やそうとして選ぶ食品の多くは、見た目ほどたんぱく質の割合が高くありません。残りの重さは水分と脂質です。USDA FoodData Centralの記録では、100gあたりのたんぱく質は、ローストした鶏むね肉が31g、生の全卵が12.6g、無脂肪のプレーンギリシャヨーグルトが10.2g、ゆでたレンズ豆が9.0gです。
卵とヨーグルトは、たんぱく質の定番とされがちです。重さに占める割合は、卵が約8分の1、ヨーグルトが約10分の1です。植物性の代表であるレンズ豆は、10分の1を下回ります。
どの食品も、大半がたんぱく質というわけではありません。たんぱく質は含まれていても、水分で薄まっています。卵の場合は、脂質も加わります。
たんぱく質は炭水化物や脂質より早く満腹になりますか?
たんぱく質は、管理された摂食研究で、カロリーあたり最も満腹感の高い栄養素とされています。これは、Westerterp-Plantengaらによる2012年のBritish Journal of Nutritionの総説に基づきます。総説では、たんぱく質の摂取が、グレリンやGLP-1などの満腹に関わるホルモンの変化を通じて働くと報告されています。
また、体重1kgあたり1日0.8〜1.2gのたんぱく質があれば、満腹感と除脂肪量を保てるとも報告されています。これは、同時に食べる炭水化物の量にかかわらず当てはまります。
夕方になってたんぱく質が足りないと感じる人が多いのは、この仕組みで説明できます。空腹を最も早く止めるのがたんぱく質なら、パン、油、軽食のように手軽な炭水化物と脂質のカロリーで組んだ1日は、たんぱく質が足りる前に満腹になります。グラムの合計に届く前に食欲が閉じるのは、仕組みによるもので、計画の失敗ではありません。
たんぱく質は食事ごとに分けたほうがよいですか?まとめて食べてもよいですか?
小規模な管理試験では、たんぱく質を食事ごとに均等に分けたほうが、同じ総量を1回に集中させるより、24時間の筋たんぱく質合成が多くなりました。Mamerowらの2014年のJournal of Nutritionの研究で、平均年齢が約37歳の健康な成人8人を、クロスオーバー設計で調べています。
参加者は、一方の食事パターンを約1週間続けました。約1か月の休止期間をはさんで、もう一方のパターンを約1週間続けました。研究者は、それぞれの1週間の1日目に24時間の筋たんぱく質合成を測りました。7日間慣らしたあとも、同様の差があることを確認しました。
一方のパターンは、3回の食事にたんぱく質をほぼ均等に分け、約31.5g、29.9g、32.7gとしました。もう一方は夕食に偏らせ、朝食が約10.7g、昼食が約16.0g、残りの約63.4gを夕食にしました。1日目は、均等なパターンのほうが、混合筋たんぱく質合成が1日を通じて約25%高くなりました(0.075%/hに対して0.056%/h)。
対象は8人だけです。これは、週単位の食事パターンを続けた実験室での結果であり、何年もの習慣の結果を示すものではありません。それでも、軽い朝食、控えめな昼食、多めの夕食という食べ方では、1日の合計が追いついても、夕方までのたんぱく質が薄く見えやすい理由の一つになります。
どの食事でたんぱく質が足りないかは、どう見つけますか?どの食品なら補えますか?
足りない食事を見つけるには、1日の合計だけでなく、食事を1回ずつ見ます。食事を記録すると、その食事のたんぱく質が分かるので、不足は食事ごとに見えてきます。シリアル、トースト、コーヒー中心の朝食は、肉、卵、ヨーグルト、豆類をあまり食べない食事であるため、昼食や夕食よりたんぱく質が少なくなりがちです。
USDA FoodData Centralの記録を使うと、食品どうしのたんぱく質の密度を、100gあたりで比べられます。
| 食品(調理済み、または食べる状態) | 100gあたりのたんぱく質 | 100gあたりのエネルギー |
|---|---|---|
| 鶏むね肉、ロースト、皮なし | 31.0 g | 165 kcal |
| 卵、全卵、生 | 12.6 g | 143 kcal |
| ギリシャヨーグルト、プレーン、無脂肪 | 10.2 g | 59 kcal |
| レンズ豆、ゆでたもの | 9.0 g | 116 kcal |
計算例です。目標ではありません。 それぞれの食品だけで、例として25gのたんぱく質を摂るとします。ローストした鶏むね肉なら約81g(25 ÷ 31 × 100)、全卵なら約198g(25 ÷ 12.6 × 100)、ギリシャヨーグルトなら約245g(25 ÷ 10.2 × 100)、ゆでたレンズ豆なら約278g(25 ÷ 9.0 × 100)です。
鶏肉は100g未満で届きます。ヨーグルトとレンズ豆は、同じ25gに、およそ3倍の重さ、つまりボウル1杯近くが必要です。「たんぱく質が入っている」食品でも1日の合計が足りなくなるのは、計画のせいではなく、この量の差のためです。
鶏肉は加熱してもたんぱく質が減らず、100gあたりの数字が増える理由も、同じ100gあたりの計算で確かめられます。レシピから計算する場合は、材料から料理のカロリーを合計し、リストから選んだ材料のたんぱく質も表示するレシピのカロリー計算ツールで、同じ計算ができます。
たんぱく質の数字を知らないうちにずらす原因は何ですか?
いくつかの習慣は、そのときには気づかないまま、グラム数の計算をずらします。
- 食品の状態を取り違えて量る。 生と加熱後の鶏むね肉は、加熱で水分が抜けて残りが濃くなるため、100gあたりのたんぱく質が違います。加熱後の量を生の数字で記録する(またはその逆)と、合計がずれます。
- 飲み物のたんぱく質源を数えない。 牛乳、ヨーグルト、ケフィアは1食分にたんぱく質がありますが、「食事」という感覚がなく、頭の中の集計から抜けやすくなります。
- 野菜中心の皿で足りていると思い込む。 野菜やでんぷん質中心の皿は、見た目にはボリュームがあっても、たんぱく質は少ないことがあります。たんぱく質が比較的多い植物性食品のゆでたレンズ豆でも、100gあたり9.0gです。
- 卵の脂質を見ずにたんぱく質だけを見る。 卵は100gあたりたんぱく質12.6g、脂質9.51gです。脂質も一緒に摂るため、グラムの合計に届く前に満腹になることがあります。
- 見た目で量を判断する。 たっぷりに見える1人前でも、不要な部分を除いて盛りつけると100g未満になることがあります。上の計算は、予想以上に変わります。
写真の記録で、たんぱく質が足りない食事は分かりますか?
Avocaloでは、食事の写真を撮ると、AIの画像認識モデルがカロリー、たんぱく質、炭水化物、脂質を推定し、ユーザーが確認して編集できます。そのため、食事ごとのたんぱく質を単独で見られます。思ったより少なかった食事も分かります。
推定は写真の読み取りによるものです。食品を量ったり、データベースの項目と照合したりするものではないため、見えない油や正確な量までは分かりません。写真で食事を記録すると、数字の目標をアプリも記事も示さなくても、1日のどこでたんぱく質が薄いかが見えてきます。
よくある質問
目標のたんぱく質を摂るのにプロテインパウダーは必要ですか?
いいえ、必要ではありません。プロテインパウダーは選択肢の一つです。卵、ギリシャヨーグルト、レンズ豆、鶏むね肉は、100gあたりのたんぱく質が十分にあります。Mamerowらの1週間のクロスオーバー試験の結果が示すように、食事ごとに分けて摂るほうが、パウダーに置き換えるよりも、体のたんぱく質の使われ方によい可能性があります。
たんぱく質が足りていないサインはありますか?
この記事は不足の診断をしません。気になる症状は、医師や管理栄養士にご相談ください。Westerterp-Plantengaの総説では、たんぱく質はカロリーあたり最も満腹感が高いとされるため、たんぱく質が少ない日は、多い日より早く空腹になるかもしれません。これは仕組みからの推論であり、不足を測定したサインではありません。
加熱すると食品のたんぱく質は変わりますか?
加熱でたんぱく質は壊れず、濃くなります。調理で水分が抜け、たんぱく質はほぼ残るためです。そのため、同じ食品でも加熱後の重さのほうが、生より100gあたりのたんぱく質が多くなります。仕組みの詳細は、肉を加熱するとたんぱく質は変わるのかで解説しています。
野菜が多い食事だと、たんぱく質を摂りにくいのはなぜですか?
ほとんどの野菜は、重さに比べてたんぱく質が少ないからです。植物性でたんぱく質が比較的多いゆでたレンズ豆でも、USDA FoodData Centralでは100gあたり9.0gで、鶏肉、卵、ヨーグルトを大きく下回ります。野菜中心の皿では、同じグラム数に届くために、密度の高い食品を量を増やして足す必要があります。
1日の合計が同じでも、食事ごとに分けることに意味はありますか?
検証した管理試験が1件ある限りでは、意味があります。Mamerowらの2014年の研究では、成人8人が、3回の食事に均等に分けるパターンと夕食に集中させるパターンを、クロスオーバー設計で約1週間ずつ続けました。各期間の1日目、均等なパターンは24時間の筋たんぱく質合成が約25%高くなりました。ただし、この実験室の条件での結果です。
出典
- USDA FoodData Central, chicken breast, roasted, cooked: 鶏肉の例に使った100gあたりのたんぱく質とエネルギー。日本の食品の成分値は日本食品標準成分表(八訂)(文部科学省)で確認できます。
- USDA FoodData Central, egg, whole, raw: 卵の例に使った100gあたりのたんぱく質とエネルギー。
- USDA FoodData Central, Greek yogurt, plain, nonfat: ヨーグルトの例に使った100gあたりのたんぱく質とエネルギー。
- USDA FoodData Central, lentils, cooked, boiled: レンズ豆の例に使った100gあたりのたんぱく質とエネルギー。日本の公的な栄養の指針は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準にあります。
- Mamerow et al., Journal of Nutrition, 2014 (PubMed): 筋たんぱく質合成が約25%高かったという数値の元になった、8人、約1週間のクロスオーバー試験。
- Westerterp-Plantenga et al., British Journal of Nutrition, 2012 (PubMed): たんぱく質が最も早く満腹感をもたらす仕組みの根拠。
この記事は、Petros IT Solutions SRLのためにAvocalo編集部が執筆しました。数値の出典の示し方と確認方法は、編集方針をご覧ください。訂正のご連絡は[email protected]までお願いします。