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生と調理後どちらで量る?食材の重さの選び方

生の鶏むね肉と、加熱して小さくなった鶏むね肉を2台のキッチンスケールで比べている写真
生の鶏むね肉と、加熱して小さくなった鶏むね肉を2台のキッチンスケールで比べている写真

生と調理後どちらで量るかは、記録するデータベース項目の状態で決まります。 「鶏むね肉、生」を選んだなら生のまま量り、「鶏むね肉、調理後」を選んだなら加熱後に量ります。加熱で水分が抜けたり入ったりするため、2つの項目は100gあたりの数値が違います。重さと項目の状態を取り違えることが、記録の誤りのもとです。

これが基本のルールです。以下では、覚えるべき割合ではなく、計算でその理由を確かめます。

なぜ調理すると食材の重さは変わるのですか?

肉を加熱して減る重さの大半は、中身ではなく水分です。USDA FoodData Centralの記録では、生の鶏むね肉は100gあたり水分が約74g、ローストした鶏むね肉は約65gです。生とローストしたものの記録で確認できます。加熱で水分が蒸発したり流れ出たりして軽くなりますが、たんぱく質はほとんど失われません。

お米はこの逆です。USDAの生と炊いた白米の記録では、水分は生で100gあたり約12g、炊いた後は約68gです。米粒が水を吸うため、重くなります。

日本食品標準成分表(八訂)も、同じ食品を「生」「ゆで」「焼き」などの別項目に分けて載せています。状態ごとに数値が違うからです。

スケールが示すのは全体の重さだけです。中身がたんぱく質か脂質か炭水化物か水かは分かりません。そのため、同じ食品でも量るタイミングで数字が変わります。

生と調理後、どちらで量ればよいですか?

どちらでも構いません。ただし、データベース項目の状態と合わせることが条件です。生の牛肉100gと調理後の牛肉100gは、肉の量が違い、カロリーもたんぱく質も違います。

生で量るほうが簡単なことが多いです。 加熱前に1回量るだけで済むからです。

食品表示の扱いは国で異なります。日本では、消費者庁の食品表示基準に沿った栄養成分表示が、商品ごとに定められた単位(100gあたりや1食分あたりなど)で示されます。どの状態の値かは、ラベルの表記で確かめてください。

比較として米国を挙げます。牛肉については、USDAの規則9 CFR 317.309が、包装された状態(生)を栄養表示の基本としています。粉砕や刻みのない単一原料の生の部位は、調理後の値で表示してもよいとされています。鶏肉などの家禽は9 CFR 381.445に従い、生か調理後かを選べます。調理後の値を使う場合は、調理法の表示が必要です。

他の人が調理したものを記録するときは、調理後の重さで量るしかありません。その場合は、生の項目を当てはめず、調理後の項目を探します。生で量って調理後の項目に記録する、またはその逆をすると、数値が合いません。2つの項目は100gあたりの値がそもそも違うからです。

鶏肉は加熱で実際にどれだけ軽くなりますか?

USDAの数値から計算で求められます。固定の割合を信じる必要はありません。たんぱく質は加熱してもほぼ残るので、生の鶏肉のたんぱく質の量と、加熱後のたんぱく質の量は、重さの減少を補正すればほぼ等しいはずです。

生の鶏むね肉は100gあたりたんぱく質22.5gです。ローストした鶏むね肉は100gあたり31.0gです。先ほどの生とローストのFDC記録の値です。生100gの22.5gが失われずに加熱されるなら、加熱後の重さは、22.5gのたんぱく質が100gあたり31.0gに相当する量になります。

計算は22.5÷31.0×100で、72.6gです。つまり、生の鶏むね肉100gはローストすると約73gになり、約27%軽くなります。この数値は上の2つのFDC記録から導いたもので、次の節でカロリーを使って検算します。加熱方法でたんぱく質の数字がどう変わるかは、鶏肉は加熱するとたんぱく質が減る?で詳しく説明しています。

鶏肉、牛肉、米で生と調理後の重さとカロリーはどう違いますか?

3つの食品に同じ計算を当てはめると、重さの変化とカロリーの違いが分かります。いずれも割合を仮定せず、対応するUSDA FoodData Centralの2つの記録から導いています。予測重さの列は、たんぱく質または炭水化物が保存されると考えて求めました。最後の列はUSDAの測定値ではありません。予測重さに、USDAの調理後100gあたりのカロリーを掛けて、検算のために計算した値です。

鶏肉、牛肉、米で生と調理後の重さとカロリーはどう違いますか?
食品 生(100 g) 調理後の予測重さ 調理後の予測カロリー 調理後カロリー(USDAの100gあたり値から算出)
鶏むね肉、ロースト 120 kcal、たんぱく質22.5 g 72.6 g 119.8 kcal 119.8 kcal(72.6 g × 165 kcal/100 g)
白米、炊飯 365 kcal、炭水化物80.0 g 283.7 g 368.8 kcal 368.8 kcal(283.7 g × 130 kcal/100 g)
牛ひき肉85/15、パンで焼く 215 kcal、たんぱく質18.6 g 75.6 g 175.4 kcal 175.4 kcal(75.6 g × 232 kcal/100 g)

鶏肉と米は、たんぱく質と炭水化物を基準に使いました。米の場合は、生の炭水化物80.0gを、炊いた白米の記録の100gあたり28.2gで割り、100を掛けます。予測される調理後の重さは283.7gです。

これに調理後の1gあたりのカロリーを掛けます。283.7g×1.30kcal/gで368.8kcalとなり、生で始めた365kcalに近い値です。差は約1%で、一部は丸めによるものです。FDCは100gあたりのカロリーを整数で載せており、生と調理後の値はそれぞれ小さな丸めを含んでいます。丸めの範囲内で、カロリーは変わりません。動いたのは水分だけだからです。

牛ひき肉は例外です。生の記録では、生の85/15の牛肉は100gあたりたんぱく質18.6gです。たんぱく質が保存されると考えると、18.6÷24.6(パンで焼いたパティの100gあたりたんぱく質)×100で、調理後の予測重さは75.6gです。75.6g×2.32kcal/gは175.4kcalで、生の215kcalをかなり下回ります。差の39.6kcalは、パンに溶け出した脂です。ひき肉という食品の性質ではなく、焼き方の結果です。

他の人が調理した食品は、どう量ればよいですか?

生の材料を自分で量っていないなら、調理後の重さで量るのが唯一の正直な方法です。完成した料理の重さに生の項目を当てはめず、外食の料理、調理後の鶏むね肉、炊いた米など、調理後の状態の項目を探します。

レシピ全体のカロリーと、できあがりの人数分、または調理後の総重量が分かっているなら、1人分のカロリーを出せます。Avocaloの無料ツールレシピのカロリー計算:1人分・100 gあたりでは、分かっている総カロリーと、人数分または1人分の重さを入れると、1人分、100gあたり、量った分のカロリーが出ます。材料の足し上げはできますが、生の重さから調理後の重さへの換算はしません。すでに分かっている合計を割るだけです。

どちらの状態で記録すべきで、何が計算を狂わせますか?

データベース項目の状態に合わせて、毎回、すべての材料で記録します。生か調理後かを万能のルールにするより、量る状態と記録する状態を揃えるほうが、結果は安定します。

次のような点で、結果は静かにずれます。

  • すべての食品が肉と同じとは限りません。 上の例では、米は水を吸って重くなり、肉は水分が抜けて軽くなりました。肉の感覚をでんぷん質に当てはめると、答えが逆になります。
  • 鶏肉の割合を牛肉に、牛肉の割合を鶏肉に当てはめないでください。 上の例では、鶏肉と米はほぼカロリーを保ち、牛ひき肉は脂が溶け出してカロリーが減りました。ある食品の数値は他の食品に使えません。
  • 生の重さと調理後の項目を混ぜないでください。逆も同じです。 2つの項目は100gあたりの数値が違います。重さと項目を取り違えると、数値が狂います。
  • 加えた材料を忘れないでください。 調理中の油、バター、ソース、衣は、水分の計算とは別にカロリーを変えます。
  • 固定の割合が自分の部位や調理法に合うとは限りません。 上の鶏肉の約27%はローストの場合です。別の調理法では、その方法に合う2つのFDC記録から、別の数値を導く必要があります。

Avocaloでは生と調理後の重さをどう記録しますか?

Avocaloの手入力では、Open Food Facts、USDA FoodData Central、各国の食品成分表をもとにした食品データベースを検索できます。スケールの状態に合う、生か調理後の項目を選べます。

量っていない食事は、お皿を撮影して記録できます。Avocaloの写真記録では、AIの画像認識モデルが画像から食品、分量、カロリー、マクロ栄養素を直接推定します。スケールやデータベースの照合は使いません。保存前に、推定結果を確認して編集できます。見えない油やソースは分からないため、推定は目安です。ただ、生か調理後かという問題は避けられます。Avocaloアプリで量らずにお皿を撮影して記録できます。

よくある質問

同じ部位の肉でも、揚げる、焼く、茹でるで違いますか?

はい、違います。調理法ごとに抜ける水分の量が違うからです。上で示した鶏肉の約27%の減少は、ローストの場合で、対応する2つのFDC記録から導きました。茹でる、フライパンで焼くなど別の方法では、その方法の2つのFDC記録から、別の数値を導く必要があります。ローストの数字は借りられません。

野菜も肉や米と同じ考え方でよいですか?

このガイドでは野菜ごとの数値を導いていないため、割合は示しません。茹でると水が入り、焼くと水が抜けるという同じ仕組みは当てはまると考えられます。ただし、個々の野菜で確かめるには、その野菜の生と調理後のFDC記録の組が必要です。

パッケージに調理後の栄養成分しか載っていない場合は?

調理後の状態で量り、調理後の項目で記録します。どちらの状態の値かは、日本の食品表示基準に沿ったラベルの表記で確認してください。比較として、EU規則1169/2011の第31条では、包装食品の栄養値は「販売時」が基本で、「調理後」の値は詳しい調理方法の表示がある場合に限り認められます。

肉を漬け込んだ後に量ると、数値は狂いますか?

狂うことがあります。漬けだれが、加熱前に重さとカロリーを加えるからです。データベース項目が味付けなしの生肉なら、漬け込む前に量ってください。漬けだれは別に記録する必要があるかもしれません。

出典

このガイドの鶏肉の数値は、USDA FoodData Centralの生の鶏むね肉とローストした鶏むね肉の記録によります。米の数値は、FoodData Centralの生と炊いた白米の記録、牛ひき肉の数値は85/15の生とパンで焼いたものの記録によります。

日本の食品の数値と表示については、文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)と、消費者庁の食品表示基準が基準となります。比較として、米国の肉の表示の基本は、牛肉を例に9 CFR 317.309、関連する家禽の規則は9 CFR 381.445に定められています。EUの基本は規則1169/2011の第31条です。このガイドの数値の確認方法は、Avocaloの編集方針をご覧ください。

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