インターミッテントファスティング(断続的断食)
14:10と16:8の違い、断食の2時間は大きい?
14:10と16:8の違いを3つの試験の数値で比較。断食の2時間で体重の減り方が変わるのか、結果が分かれた理由とあわせて確かめます。
ガイド

断食中にクリーマーを入れると断食は破れるのでしょうか。カロリーのあるものを入れれば、厳密には断食は終わります。ただ、体重を減らす目的なら、断食はスイッチではなく食事の時間割です。牛乳をひと垂らしすると約9〜18 kcal、液状クリーマー大さじ1杯は約20 kcalで、どちらも1週間の食事を左右する量ではありません。
まず牛乳から計算します。USDA FoodData Centralでは、全乳は100 gあたり61 kcal、1 mlあたり約0.61 kcalです(fdcId 746782)。大さじ2杯ほどの30 mlなら、約18 kcalになります。
日本の食品については、日本食品標準成分表(八訂)でも牛乳や生クリームの成分値を確かめられます。ここでは英語版と同じ数値で比べるため、USDAの値を使います。
クリーマーは製品によって大きく違います。「クリーマー」は1種類の食品ではないからです。Coffee-Mate Original液状クリーマーは、大さじ1杯(15 ml)で20 kcalと自社の栄養表示にあります。1 mlあたり約1.3 kcalです(CalorieKing)。乳固形分ではなく生クリームが主体の濃いタイプは、さらに高くなります。ホイッピング用の生クリームは100 gあたり340 kcal、1 mlあたり約3.3〜3.4 kcalです(fdcId 170859)。
これらの数値は、特定の境界線を調べた対照試験にもとづくものではありません。この質問で上位に出るページには、「50kcalルール」を確立した事実のように書くものがありますが、出典は示されていません。時間制限食の試験が測ったのは、1日の総摂取量です。牛乳をひと垂らしした影響ではありません。この違いが、以下のすべての答えに共通しています。
実用的には、カップに入れた量を量ることです。その後、栄養成分表示の計算ツールで、ラベルの数値を注いだ量に換算します。飲み物の種類から当て推量をするより確実です。
コーヒーに牛乳を入れると断食が破れるかどうかは、牛乳を入れたかどうかではなく、その量で決まります。ブラックコーヒーはほぼゼロカロリーで、抽出液100 gあたり約1 kcalです(fdcId 171881)。コーヒー自体はほとんど影響しません。
全乳を15〜30 mlほど入れると、上の1 mlあたり0.61 kcalから、約9〜18 kcal増えます。ラテ1杯分の牛乳、つまり200 mlに近い量なら約122 kcalです。これはまったく別の種類の飲み物で、詳しい計算は後の節で示します。
ハーフ&ハーフは、その中間にあたります。100 gあたり130 kcal、1 mlあたり約1.3 kcalです(fdcId 171255)。大さじ1杯(15 ml)で約20 kcalになり、液状クリーマー大さじ1杯と同程度です。
16:8でもっともよく引用される結果は、TREAT試験のものです。この試験は、16時間の断食時間帯に水、ブラックコーヒー、砂糖や甘味料なしのお茶だけを認めていました(Lowe et al., JAMA Internal Medicine, 2020)。コーヒーに牛乳を入れることは、この条件に含まれていません。ひと垂らしが有害だという意味ではなく、それを個別に調べた試験がないということです。答えは、調べていない試験から借りた決まりではなく、足し算で出します。
断食が破れるカロリーの境目について、体重の面では、根拠にもとづいて公表された基準はありません。よく知られた「50〜75 kcal」のルールについて、Healthlineの解説も、その数字を裏づける科学的根拠はないとはっきり述べています。同じ数字を繰り返している他の情報源にも、出典は見つかりませんでした。
研究が示しているのは、体重を動かすのは断食時間帯の純度ではなく、総摂取量だということです。もっともわかりやすいのは、Liuらの2022年のNEJM試験です。肥満のある成人139人を、カロリー制限のみの群(男性は1日1500〜1800 kcal、女性は1200〜1500 kcal)と、同じカロリー制限に午前8時から午後4時の食事時間帯を加えた群に無作為に分け、12か月追いました(Liu et al., NEJM 2022)。同じカロリーに時間制限を足しても、追加の効果は出ませんでした。
TREAT試験も、別の方向から似た結果を示しています。12週間で16:8群は0.94 kg減り、規則的な時間に食べた対照群は0.68 kg減りました。差は0.26 kgで、統計的に有意ではありません(P=.63)(Lowe et al., 2020)。
これらの試験を合わせると、断食時間帯のカロリーの純度が、体重の変化を決めるわけではないと考えられます。1日を通して食事記録に残る合計こそが大切な数字で、特定のひと垂らしが根拠のない線を越えたかどうかではありません。そこで、境目を探す代わりに、実際に足したものを記録し、1日全体で見ます。この手順はカロリー計算を正確に行うやり方で最初から最後まで説明しています。断食中の記録の考え方は、16時間断食でもカロリー計算は必要かも参考になります。
断食中に飲めるものとして、いちばん明確な一覧は試験そのものにあります。TREATの手順が断食時間帯に認めたのは、水、ブラックコーヒー、砂糖や甘味料なしのお茶です(Lowe et al., 2020)。この3つが、検証された基準にもっとも近いものです。
それ以外のよくある追加物は、白か黒かの判定ではなく、小さくて具体的なカロリーがかかります。
これらが断食法の結果を妨げるかどうかについて、試験で確かめられた境界値はありません。それぞれの追加物にかかるカロリーを示しただけです。作り話のルールではなく、その日のほかの食事と比べて選べます。
レモン水で断食が破れるかを、カロリーで見ると、ほとんど影響しません。生のレモン果汁は100 gあたり22 kcalです(fdcId 167747)。大さじ1杯(15 ml、約15 gとして)で約3 kcalです。水にくし形切りを絞る程度なら、その一部で、2 kcalほどです。
この数字は小さく、1日の総摂取量の中では目立ちません。TREAT試験とNEJM試験が、体重に関わるのは時間帯の純度ではなく総摂取量だと示しているのと同じ考え方です(Lowe et al., 2020、Liu et al., 2022)。
レモン果汁は、ゼロに近いのであって、完全なゼロではありません。そのため、大さじ1杯なら数kcalにはなります。
体重のための断食では何が断食を破るのか、特定のカロリーの境目で測った結果はありません。そのような試験がないからです。試験が測ったのは、断食時間帯を含む24時間全体の総摂取量でした。
TREAT試験は、16:8と規則的な食事時間を比べ、グループ間の体重差が小さく有意でないことを示しました(12週間で0.94 kgと0.68 kg)(Lowe et al., 2020)。NEJM試験はさらに進んで、カロリーを同じにして時間制限を加え、時間割そのものによる追加の減量はないことを示しました(Liu et al., 2022)。
この2つの結果は同じ方向を指します。断食時間帯は食べるタイミングを整える道具であり、わずかなカロリーに別に反応する仕組みではありません。時間帯の中の牛乳ひと垂らしやガム1枚で、時間割の目的が崩れることはありません。この時間割の試験の根拠は、時間帯がカロリーゼロであることに依存していないからです。
体重を動かすのは、いつもと同じものです。1日に食べて飲んだものの合計です。制限しすぎずに合計を記録する方法は、カロリー計算を正確に行うやり方にまとめています。
ブラックコーヒーで断食が破れるかというと、それだけならほぼ影響しません。抽出したコーヒーは100 gあたり約1 kcalで、237 mlのカップでも約2 kcalです(fdcId 171881)。
だからTREAT試験の断食時間帯で、水と砂糖なしのお茶と並んで、明示的に認められた3つの飲み物の1つでした(Lowe et al., 2020)。この試験でも他の試験でも、このカロリーは測れる大きさになりません。
状況を変えるのは、足すものです。ラテの牛乳、スプーン1杯の砂糖、風味つきシロップは、それぞれ自分のカロリーを持っています。ここまでの節で計算したとおりです。問題はコーヒーそのものではありませんでした。
ラテが実際に足すカロリーは、牛乳の量から計算できます。ラテには、蒸した牛乳が約200 ml入るものとします。これは測定した1杯の量ではなく、この例のための仮の量です。USDAの全乳0.61 kcal/mlを使うと(fdcId 746782)、200 × 0.61で、牛乳だけで約122 kcalです。ブラックコーヒーにひと垂らしするのとは、大きく違う飲み物です。
下の表は、よくある追加物をこのラテと並べ、それぞれの規模がひと目でわかるようにしたものです。
| 追加物 | 量 | おおよそのkcal | 出典 |
|---|---|---|---|
| ブラックコーヒー | 237 mlのカップ | 約2 kcal | USDA、抽出コーヒー |
| 牛乳をひと垂らし | 30 ml | 約18 kcal | USDA、全乳 |
| 液状クリーマー | 大さじ1杯(15 ml) | 約20 kcal | Coffee-Mateのラベル |
| ハーフ&ハーフ | 大さじ1杯(15 ml) | 約20 kcal | USDA、ハーフ&ハーフ |
| 生クリーム | 大さじ1杯(15 ml) | 約50 kcal | USDA、ホイッピング用クリーム |
| レモン果汁 | 大さじ1杯(15 ml) | 約3 kcal | USDA、生のレモン果汁 |
| ラテの牛乳 | 200 ml | 約122 kcal | USDA、全乳(計算) |
表を上から見ると、ひと垂らしとラテ1杯の差が要点だとわかります。飲み物の名前では何もわからず、注いだ量がすべてを決めます。「ミルク入りコーヒー」は、牛乳の量しだいで20 kcal未満にも120 kcal超にもなり、量るか測るかしないとどちらかはわかりません。
自分のカップの正確な数値が必要なら、栄養成分表示の計算ツールが使えます。牛乳パックやクリーマーのボトルのラベルの数値を、実際に注いだ量に換算します。上の平均値に頼らずに済みます。日本の製品では、消費者庁の食品表示基準にもとづく栄養成分表示の数値を使えます。
失敗しやすい点は、次の5つです。
アプリの断食タイマーは、16:8、14:10、20:4、1日1食の時間割を管理します。食事記録では、コーヒーに入れた牛乳のひと垂らしを数kcalとして、その日のほかの食事と同じ画面に記録できます。コーヒーの写真を記録し、量を確認して編集してから保存することもできます。牛乳やクリーマーは、Open Food Facts、USDA FoodData Central、各国の食品成分表から作られたアプリの食品データベースで検索して追加できます。
タイマーも記録も、何が断食を「破る」かを決めるものではありません。時間割とその日の合計を一緒に見えるようにするだけで、これが上の試験の根拠が実際に支える唯一の組み合わせです。アプリは無料でダウンロードでき、サブスクリプションと無料トライアルがあります。iPhoneとAndroidで利用できます。
シュガーレスガム1枚のカロリーは、多くても2 kcalほどで、レモンのくし形切りと同じ規模です。断食の対照試験で個別に調べられてはいませんが、カロリーが小さすぎて、1日の総摂取量の中では目立ちません。
はい、プロテインシェイクには実際のカロリーとたんぱく質があり、通常は数十g分です。牛乳をひと垂らしするのとは、まったく違う量です。断食時間帯の飲み物に何か足すというより、小さな食事に近い扱いになります。
アルコールには、エタノール自体と、加えた砂糖や割り材から来る実際のカロリーがあります。お酒のカロリー計算は、ラベルの量とアルコール度数から合計を出します。可否の一言の判定より、役に立つ数字です。
いいえ、断食が体重に影響するかどうかの境目として、50 kcalやほかの具体的な数字を確立した公表試験はありません。このガイドで調べた、この数字を繰り返す情報源のどれにも、裏づけとなる研究の引用はありませんでした。
このガイドが答えるのは体重の問題だけです。使った試験は体重を測ったもので、オートファジーや検査室で測る代謝マーカーを測ったものではありません。それらは別の問いで、別の根拠が必要になり、このガイドの範囲の外です。
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